「中古住宅はあと何年住めるのか。」
中古住宅(戸建て)の見学の際、お客様から聞かれる質問の1つに、
「この家はあとどれくらい住めるのでしょうか」というものがあります。
確かに、気になりますよね。
一般的に、木造住宅の寿命は30年と言われ、そのイメージが定着しています。
インターネットで、「木造住宅 耐用年数」と検索すると、「22年」と出てきます。
仮に、今、購入しようとしている物件が昭和53年築の1500万円の中古一戸建てだったとすると、
築37年です。
これは、もう建物としての寿命を過ぎているのでしょうか。
いいえ、そんなことはありません。
まず、「建物の耐用年数 = 建物の寿命」ではありません。
(※ちなみに、鉄筋コンクリート造は50年、重量鉄骨造は34年、軽量鉄骨造は19年です。)
「寿命」と「耐用年数」は同じような意味で使われることが多いですが、
耐用年数は予定された使用期間をいうものとされています。
それに対して、寿命は、ひとつひとつの建物で異なります。
耐用年数は同じ種類の建物では原則同一です。
寿命は結果として決まるもので、耐用年数はあらかじめ決めるものであるとも言えます。
耐用年数 ≠ 寿命を証明する事実として、国内で最も古い木造住宅は、
15世紀に建築された神戸市の箱木屋住宅があります。
(9世紀初期に建築されたという説もあります。)
2011年の早稲田大学「建築寿命に関する研究」によると、
2011年の木造専用住宅の平均寿命は約60年というデータとあります。
ではなぜ、木造住宅の寿命は30年くらいだというイメージがここまで定着しているのでしょうか。
その理由は、戦後の日本経済の高度成長の影響が大きかったものと考えられています。
具体的には、生活水準・生活様式の変化、土地神話と土地本位制の経済の影響が大きかったと言われています。
高度成長により生活水準や生活様式が変化したことで、
既存の住まいを改装してレベルアップしようとする人よりも、建て替えに向かう方が大多数いました。
このような状況の持続が、結果的に、木造住宅の寿命は20年ないし30年であるという認識を定着させたのではないかと考えられています。
木造住宅の寿命のイメージを短くさせたもう一つの理由は、
土地価格が永久に上がり続けるという、
いわゆる土地神話が生まれたことによるものと言われています。
土地の価値が建物に比べて相対的に高いという状況は、
人々にひとつの建物を使い続けるという意欲を失わせたのではないかと考えられています。
ということで、木造住宅の寿命について考えてきましたが、
弊社では、今から購入しようとしている中古住宅を、
本来の寿命まで住めるようにするために、不動産売買の仲介だけで終わらず、
長く愛着を持って住んでいただくための補修リフォーム・リノベーションをご提案しています。
人間の身体と同じで、木造住宅も、日ごろのメンテナンスと、
何か起きた時にきちんと処置を施すことで、長く健康に過ごしていくことができます。
不動産の購入はもちろんのこと、購入後のリフォームも、ぜひ、弊社にご相談ください。
※耐震工事の補助金、住宅ローン減税などの税制優遇を受けるには、計画が大切になります。
お客様が得をする内容もありますのでその点もご相談下さい!